カナダのBC州で初めて人を採用する日系企業から、「日本と何が違うのか」という質問をよく受けます。細かい点を挙げればきりがありませんが、実務上で特に問題になりやすいポイントに絞って整理します。
試用期間の扱い ¶
BC州雇用基準法では、試用期間は最長3ヶ月と定められています。この期間中であっても、解雇には「just cause(正当な理由)」が必要な場合があります。日本の試用期間のように「合わなければ簡単に終了できる」という感覚で運用すると、後から不当解雇のクレームにつながることがあります。試用期間中の評価基準を書面で明確にしておくことが重要です。
残業代の計算方法 ¶
BC州では、1日8時間を超えた分は1.5倍、12時間を超えた分は2倍の賃金が必要です。週40時間を超えた分も1.5倍になります。日本のように「みなし残業」の概念は存在せず、実際の労働時間に基づいて計算する必要があります。タイムシートの管理を最初から正確に行う体制を整えることを勧めています。
解雇予告と退職金 ¶
勤続期間に応じた解雇予告期間(または予告手当)が法律で定められています。勤続3ヶ月以上1年未満で1週間分、1年以上で勤続年数に応じて最大8週間分の予告手当が必要です。「業績不振による整理解雇」であっても、この手続きは省略できません。
雇用契約書の言語と内容 ¶
BC州では、雇用契約書を英語で作成することが一般的です。日本語版を参考資料として添付することは問題ありませんが、法的効力を持つのは英語版です。職務内容、報酬、勤務地、解約条件を明記した契約書を、採用前に準備することが必要です。
BC州の労働法は、日本の労働基準法とは構造が異なります。採用を始める前に、雇用契約書のレビューを専門家に依頼することを勧めています。Maple Crestpathでは、提携会計事務所Tanaka & Lim CPAと連携した採用支援サービスを提供しています。